群青のマグメル ~情報収集と感想

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群青のマグメル 第32話感想 ~4人の立ち位置

第32話 そして約束は 20P

原題:完结的开始(直訳:終わりの始まり)

この第32話には2016/05/27の22:00現在乱丁があります。
15Pと16Pが入れ替わって掲載されしまっています。

2016/5/30の23:30現在修正が確認されました。


中文版では第一部最終話となる32話です。

設定の上では今まで最大の謎であったマグメル出現が実はマグメル新生と呼ばれる異常な拡大であったことが明らかになり、新たな展開に向けてマグメル新生と聖心の秘密という謎が浮上しました。

そしてドラマの上ではメインキャラであるヨウ、ゼロ、エミリア、クーの4人が自分の立ち位置をはっきりさせた回となります。特にヨウにとっては拾因との約束を再確認し、今までの立ち位置から一歩踏み出すターニングポイントとなる回です。

4人の中ではまずクーがマグメルに帰って神名阿一族やフォウル国との闘争に備えることを選び、つかの間の人間同然の生活を捨てて聖国真類としての立場に戻ろうと決意します。黒獄小隊ら敵の人間を殺害することも当然のことと考えているでしょう。しかし人間の中でもせめてヨウとの関係だけは変化させたくないと考え、ヨウに戦いの起きつつあるマグメルから手を引いてもらうことを望みます。

ですがヨウは自ら戦いに赴くことを選びます。より強力な構造の力を手に入れるつもりのようですが、今の時点では具体的に何をする気かはまだわかりませんね。拾因との約束である「世界を救う」ことを実現したいようなので、激化する対立を食い止めるために戦うような感じでしょうか?「世界の敵」である拾因がヨウに世界を救ってもらうことを願ったというのはいかにも意味ありげです。

エミリアは事態の重大さに怯えつつもヨウに手を貸したいと思っているようです。ゼロは選ぶまでもないこととしてヨウについていきます。

ヨウがマグメルの拾因に思いを馳せる場面から続いて、フォウル国・聖国真類・神名阿一族という敵となりそうな勢力が臨場感たっぷりにページを割いて描写されます。これからのヨウたちの戦いもスケールの大きなものとなりそうだという期待が高まります。エリンやマグメルの生物のデザインはどことなく日本人の異形デザインとは違う中華的なエスニックさがあって華を感じます。この絵と演出を魅せる場面で乱丁があったのが残念でなりません。

ラストのシークエンスは雨上がりの中を太陽の方角を目指して1つのヘリに乗るヨウとゼロ、同じヘリに乗りはしないけれどもすぐ近くについていくクー、3人を見守るエミリアという4人の関係を象徴するような美しいものとなっています。
この関係がずっと続けられるのか、この瞬間だけの儚いものとなってしまうのか、ということが今後の展開の焦点となるのでしょう。


今回も結構ダラダラと書いてしまいました。あらすじに当たる部分を書き過ぎなのでもう少し簡潔に書けるようにしたいです。