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群青のマグメル~情報収集と感想

ウェブコミック配信サイト『少年ジャンプ+』で連載中の『群青のマグメル』を非公式に応援するブログです。

日本から中国の漫画を合法的かつ無料で読む

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中国大陸の漫画家である第年秒先生は2007年に読み切りでデビューして以来、ずっと中国で漫画を執筆し発表し続けています。発表作品の内で『5秒童話』と『拾又之国(邦題:群青のマグメル)』は日本でも翻訳されていますが、未翻訳の作品も何作もあります。特に未翻訳の『長安督武司』は第年秒先生の連載デビュー作であると同時に代表作でもあります。これらの作品を日本に居ながらにして読むことはなかなかハードルが高そうに思えますが、読んで理解するためには中国語の習得が必要としても、ただ絵を眺めるだけでいいのなら実は比較的容易に触れる事ができます。というのも中国は違法ダウンロードが横行しすぎているが故に、ほとんどの出版社はその対策として公式にウェブ上でも漫画を配信しているからです。もちろん配信で気に入った漫画を買うことが期待されています。

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中国の悪質な違法ダウンロードサイトの数は非常に多く、日本人がそれらと公式配信を見分けるのはなかなか難しいです。『拾又之国』も公式配信の方法は後で詳しく触れる1種類しかないにもかかわらず、タイトルで検索すると大量の違法サイトがヒットします。誤って違法サイトにアクセスするとウィルスやマルウェアに感染する可能性が高いです。そこで今回は私が確認できた限りでの中国の公式配信サイトを紹介すると同時に、未翻訳の第年秒先生の漫画を軽く紹介してみたいと思います。詳しい紹介はその内に機会があれば行いたいです。

布卡漫画(ブッカーマンガ)

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 珠海布卡科技有限公司という会社の運営する無料漫画配信サイトで、閲覧に登録の必要はありません。日本の漫画もかなりの数が正式な許可を受けて中国語訳で配信されています。特に一迅社の漫画が充実しており、コミック百合姫の独占配信などはこのサイトの売りであるようです。

 

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パソコンで見る場合は画像の横幅だけがウィンドウサイズに合わせて縮小されるので、迫力は損なわれますがモニターの解像度が低くて潰れてしまう方はスマートフォンのブラウザで見るのをおすすめします。この場合は横幅が固定で縦幅が変動します。スマートフォンのアプリはインストールしようとした際にセキュリティ上好ましくない挙動をするおそれがあるという警告が出たので試していません。

第年秒先生の漫画では『長安督武司(长安督武司)』を33話までと、読み切りの『二想(布卡漫画では二想与念儿という表記)』と『史上最弱英雄伝説(史上最弱英雄传说)』の合計3作を配信しています。全てフルカラーの漫画です。

布卡漫画の『長安督武司』は雑誌の印刷時に使用したデータをそのまま使用しているらしく、単行本収録のものと台詞に違いのあるコマがある他、写植にずれのあるコマが散見されます。また第12話に乱丁があります。有妖气に掲載されている『長安督武司』は簡易モノクロ版ですがこうしたミスは修正されているので、そちらも見てみることをおすすめします。色塗りの不慣れなごく初期の回はかえって簡易モノクロ版のほうが見やすいかもしれません。

長安督武司

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左から右(→)に読みます。

現在でも中国大陸においては第年秒(当時の筆名は胡偉)先生の代表作です。『漫画show』というフルカラー漫画雑誌で連載していました。『漫画show』の看板漫画で第7回金竜賞の最優秀少年漫画賞を受賞するなどなかなかの人気作であったようですが、第39話の時点で『漫画show』が急遽廃刊となり連載を停止せざるを得ない状況のまま数年が過ぎています。この廃刊の際にはきちんとしたフォローがなかったらしく、中国の漫画産業がまだまだ未成熟であることを伺わせます。

中国唐代(おそらく626~635年ごろ)の長安を舞台としており、武術や絶学(いわゆる仙術的なもの)などの登場する歴史バトルファンタジー漫画です。初連載だけあって連載中の画力・演出力の向上が凄まじいです。とりあえず1話分だけ眺めてみるなら総集編的な内容で表現力の安定してきた第27話がおすすめです。帅气=格好良いという意味だとわかっていると第27話の内容が少し理解できます。

トーリー

世に悪の武がはびこる中、朝廷はこれに対抗すべく大陸全土から絶学の才を持つ武人を集結させた。悪の武を監督・制裁する彼らは督武人と呼ばれ、彼らの組織は督武司と命名された。

山で暮らしていた主人公の雲心暁はある日突然に双子の弟の雲心曜が殺害されたことを知らされる。長安の督武人であった弟の仇を討つために、弟の残した絶学の能力の移植を受けて犯人と目される真武会の動向を探る雲心暁と長安督武司の面々だったが、長安の神話とさえ評された最強の督武人である雲心曜の死には奇妙な点が幾つも存在した。そして雲心暁自身が誰にも言うことのできないある思惑を秘めていた……。

メインキャラクター

雲心暁(簡体字:云心晓)

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主人公にもかかわらず一番謎の多い人物。

いつもにこやかで社交的な性格だが、時折ひどく冷酷な一面を覗かせる。本心を誰にも明かさずに何かを計画しているようだが、弟の雲心曜と幼なじみの十楠を想う気持ちに偽りはない。

武術に関しては素人で、弟の奇骨(いわゆる仙人骨)を移植されたがまだうまく扱うことができない。作中でのまともな戦闘は未経験で、敵を倒したのも奇骨の力を暴走させた1度きりである。

人前では使用しないが絶学の修行を積んでいたという疑惑がある。

 

馬特·忒弥斯(発音:マート/マット・テミス、簡体字:马特·忒弥斯)

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西域(シルクロード周辺地域)人*1。おそらく18歳。長安督武司司長であり、見た目に反して中原の礼節をわきまえ部下の面倒見も良い。死亡した雲心曜の友人であった。

現在の長安督武司では最も実力のある武人であり、敵の真武会との戦いの最前線に立つ。一流の武術による立ち回りを得意とし、高速移動とその応用の擬似瞬間移動の絶学も習得している。

 

艾絲·美拉達(発音:エス・メラルダ、簡体字:艾丝·美拉达)

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西域人傭兵団の出身でギリシャ語も理解できる。明るく自由気ままで猫のような性格。

非常に好戦的で若干サド気質がある。擬態の絶学により化け猫や虎の力を身にまとうことができる。尾に見立てたワイヤーなどを自由に操作し強力な攻撃を繰り出すことも可能。

 

十楠

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雲心暁・雲心曜兄弟の姉弟子で幼なじみ。健気で柔らかな性格だが芯は強い。2年前に十楠、雲心曜、現在は敵側についたとみられる夜凌空ら3人で山を降りて長安で暮していたが、その2年間の記憶が欠落している。

ほとんど仙術と呼べるレベルの医術を習得しており、雲心暁の奇骨移植手術で助手を務めた。

 

二想

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右から左(←)に読みますが、途中まで台詞は横書きです。

2016/07/08に日本でも公開され、こちらに詳しい記事を書きました。

史上最弱英雄伝説

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左から右(→)に読みます。

右手で投げたものが必ず自分に跳ね返る超能力を持つ主人公は、女体化する超能力者と着ている服を瞬間移動させる超能力者の同級生とともにU級社団という3人組を作る。彼らは彼女募集のため、もとい超能力者の存在を認めさせるためにテレビの素人オーディション番組に出演する。そしてオーディションは不首尾に終わるものの同じ番組に出演する少女と知り合うことができた。だが彼女が表彰台に上がったまさにその時に番組がマフィアにジャックされ……。

男女ともに魅力的なキャラクターデザイン、ポップなギャグセンス、迫力のあるアクションシーン、そして超能力の活用法の意外性と言った第年秒先生の魅力がわかりやすく凝縮された作品です。スケジュールに余裕のある時に描かれたものであるらしく、絵が非常に美麗です。

有妖气

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中国の漫画投稿サイトですが、日本のPixivやニコニコ動画などと同じように出版社による公式配信の漫画もあります。しばらく読んでいると登録を促すポップアップが表示されますが、リロードなどをすれば登録しなくても読み続けることができます。ニコニコ動画のようなコメント機能があり、邪魔になるのでしたら非表示にしてしまったほうがいいでしょう。

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第年秒先生の漫画では『長安督武司(长安督武司)』が簡易モノクロ版ながら39話分全て掲載されています。一部の番外編もカラーでこちらにのみ掲載されています。また、著作権契約の問題上更新を続けることはできませんでしたが、第40話と第41話の下書きも公開されています。問題の解決する数年後に更新を再開する予定だそうです。

漫画行+

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『拾又之国(邦題:群青のマグメル)』の掲載誌である漫画行の唯一の公式配信アプリです。

Android版はGoogleを通じて配信されていないのでスマートフォンの設定からセキュリティの項目を選び提供元不明アプリのインストール許可を有効にして、apkファイルから直接インストールする必要があります。自動更新に対応していないので自分でアプリのアップデートをする必要もあります。

動作は重いわけではないのですが、かなり癖のある挙動をします。

まず、漫画行は左開きの漫画雑誌にもかかわらず、アプリは右開きの本を前提とした作りになっています。ページのめくり方自体は設定で変えられるのですが、ページ位置バーの表示などはそのままです。見開き表示にすることもできません

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特定のページが読み込めない場合はリロードボタンを連打するか後日読み込み直すと改善される場合があります。

そしてオフラインにすると、アプリを起動していなくてもその度に警告が表示され大変うざったいです。

ちなみに第20話以前の話では乱丁も多いです。

2016/06/03の現在は『拾又之国』だけでなく、期間限定のようですが『多米诺杀手(邦題:殺し屋ドミノ)』も配信されています。

*1:作者のコメントによると马特はエジプト神話の正義と掟の女神マアト(玛亚特)から、忒弥斯はギリシャ神話で同女神に相当するテミス(忒弥斯)から取っており、西アジア系を想定しているという。