群青のマグメル ~情報収集と感想

『群青のマグメル』と第年秒先生を非公式に応援

群青のマグメル 第7話振り返り感想 ~インとヨウを知る者

第7話 急襲 20P

原題:空想之敌(直訳:空想の敵)

『群青のマグメル』初めての本格的なバトル回です。第1話から謎に包まれた能力を持つ構造者として圧倒的な強さを発揮していたヨウですが、今回は敵も構造者ということで今までのようにはいきません。しかもマグメルの原住者といういかにも強敵であるのを予感させる種族が出てくることで、読者にとっては一気にバトル物としての華やかさが期待できるようになりました。

シチュエーションも大勢の人間が生活する市街地の上空で街1つを簡単に壊滅できてしまうような敵を誰にも知られることなく撃退する、という大変燃えるものです。ミサイル(龍息穿甲弾)対ヨウの手装構造の正面対決という構図も熱いですね。バトル物の作品の世界観を構築する上で意外と重要になるのが現実的な武器・兵器がどのくらい脅威となるのかの提示ですが、『群青のマグメル』は比較的に武器・兵器の位置づけが高いです。現実構造の性質上、構造の基になったものの格好良さがそのまま構造者の格好良さに繋がるということもあって、武器・兵器の見せ方には気を使っている印象があります。

そして撃退した敵がヨウの過去のことを知っている?ということが先の展開に興味を引きます。「イン! そして… ヨウ!」の台詞は今見れば拾因とヨウのことなのですが、拾因がシルエットだけで初登場したこの場面だと、初読時はインヨウの名前を力を込めて呼んでいるようにしか見えませんでした。この引きが次回の拾因の初の本格登場に繋がるのですが、2人の名前にはただの偶然でない関係性を勘ぐりたくなってしまいます。

ダーナの繭の探検隊の側では一徒とキミアイオンが何かの陰謀が動いているとこを察知し、有能さを読者に印象づけます。しかし一徒は陰謀や金銭よりも見知らぬ脅威に対して明らかに心惹かれています。ある意味で探検家の鑑と言えるかもしれませんが、惹かれ方がどうにも危険な方向性に見えるのが今後の展開でも気がかりです。