群青のマグメル ~情報収集と感想

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群青のマグメル第24話振り返り感想 ~向かう先は

第24話 1000エクスでどうかな? 20P

原題:1000界币如何?

一徒たちはマグメル深部に向かうため神明阿一族の配下に加わり、読者への説明を兼ねた講習を受けています。探検漫画の醍醐味である世界観設定の蘊蓄、特に強さのランク分けにはやはり少年漫画としてワクワクさせられるものがあります。低級・中級では分類があくまで目安と明言されているのも、何が起きるかわからないサバイバル感の強いこの作品としてはリアリティをより高めてくれていいですね。それらに対して絶対的なランクである超級の別格感が浮き彫りになります。また超級に対抗しうる構造者という存在の特別感をより引き立ててもいます。

ランク分けでは超級危険生物の代表として恐ろしげに描かれていたクーですが、ヨウ達のパートではコメディ的な会話をしたり、早速自分の能力を活用してまでゲームを楽しんでいたりと親しみの持てる描写が続きます。この作品は第一印象からの変化でキャラクターに魅力や深みを出すのが上手いですね。クーが当たり前のようにラジウムに向かうヘリコプターの外にくっついているのも絵的に笑えてしまうだけでなく、彼の立場を端的に表していて興味深いです。

ちなみにラジウムでゼロが言いている「聖国真類みたいな顔」は原文では「エリンみたいな顔」です。嫌味であることをわかりやすくする翻訳ではありますが、ゼロの持つイラストからの飛躍が大きくなりすぎて冗談としての意図は若干伝わりにくくなりました。

何処かへ向かう謎の巨大生物(オーグゴーン)のシーンはスケール感の雄大さが興味をそそり、次回への強い引きとなっています。本作でたびたび使われるカメラが徐々に引いていくことでスケールを出す手法がここでも効果的に働いています。

また細かい点ですが、5話でヨウが閃光弾を暴発させた技のネタバラシをちゃんとしてくれるのは、ミステリー要素が強い本作でこの先の話が展開していく方向を信頼する上で意外と重要な部分です。