群青のマグメル~情報収集と感想

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群青のマグメル第29話振り返り感想 ~まどろみの終わり

第29話 神明阿一族 20P

原題:未神明阿一族

前回の鳥山明作品パロディから続いての、扉絵の鳥山明先生ライクなメカはデザインも書き込みも凝っています。ペンタッチは冨樫義博先生の影響が強いのでそこばかりが注目されがちですが、メカやキャラクターの服装などのデザインは鳥山明先生の要素を参考にして取り入れている部分が大きいように思います。余談ですが、第年秒先生が初めて読んだ少年漫画は『ドラゴンボール』なのだそうです。
タイトル通り神明阿一族の内情に初めて切り込んでいく話で神明阿一族という名称もこの回に初めて出てきます。それまでは若様が拾因なのではと思わされる描写がありましたが、それがミスリードであったことが神明阿という姓氏と若様の特徴的な瞳によって明示されます。
また、三大勢力のもう一角であるフォウル国についてもいかにも多部族連合国家めいた様子や原皇ブレスが女性であるらしいことの描写があり、単なる名称としての勢力名から顔のある相対すべき相手へと認識が切り替えられます。彼らの激突に向かう動きへの危惧がいよいよ具体化していく中、それと裏腹な闘いへの期待感も高められてしまいます。
一方で同時進行するヨウとクーのバトルは実にほのぼのとしたものです。舞台となるクーの部屋にはテレビだけでなくフィギュアや本、DVDと思われるグッズ類までが大量に持ち込まれています。人間文化への傾倒だけでなく、拾人館での生活への馴染みぶりなども見て取れて興味深いです。大きなスカル柄の壁飾り1つをとっても、喰い現貯める者の造形や現在の衣装から受ける印象通りにクーが少しカッコつけ系というかバンドマン風のデザインを好んでいることがわかってキャラ造形の丁寧さを感じます。
ガキそのものの戦いに興じていた2人ではあるのですが、神明阿一族からの接触により遊びは文字通りに終わりを迎えることとなります。ここで餌にされるのが、読者にとっても完全にヒントを見失ってしまったばかりの拾因の情報だというのが実に心憎いですね。その後のそれとなくエミリアを人質に取っていることを示唆するルシスの言動にも底意地の悪さが感じられ、彼らが一筋縄ではいかない大人な相手であることが強く印象に残ります。