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『屍者の13月』第15話感想 ~忘れられない思い

第15話 三川の三つの真実 24P

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高皓光と黄二果が帰宅し、黒山村の話を総括するやいなや、新たな戦いの舞台である三川に飛ばされました。

弱さを認める強さ

黒山村では大変な惨劇が起きましたし、その一因に高皓光の判断力などの様々な面での力不足があったことは事実です。9/27ページの最下段のコマで、彼の瞳に白小小の最期の姿が焼き付いているように、救えたはずの人間を救えなかったことは一生忘れてはならない後悔です。

しかし高皓光には宿命に終止符を打つという宿命があり、ここでくじけてはいけないことも確かです。彼が歩みを止めないことを決意しただけでなく、自分の力不足を認められたことには確かな成長が感じられて嬉しくなりました。黒山村では村人が自分の弱さを認めることから逃げている点を上から目線でなじっていましたが、いざ自分がその立場となったときはきちんと成長の糧にできたのです。

自分の弱さを認める強さを持つこと、それは他人と協力する必要性を認めることにも繋がります。他人の符の力を100%以上に発揮する高皓光の神通とは、彼のこうした強さを反映したものなのでしょう。

千年を越える思い

三川では1906年と2020年にも法屍者が出現しました。2020年の法屍者はどうにか生き延びていた上官宵のようですし、1906年の法屍者はおそらくあの後に法屍者となって若返った趙炎のようです。2人は法屍者となり千年以上の時を越えました。

そういえば彼らの流派である忘川法門の「忘川」には、男女の再会にまつわるある伝説があります。忘川とは中国における三途の川のことであり、この川を渡った人間は記憶を失い新しい命に生まれ変わるとされています。しかし忘れ薬である孟婆湯を飲まずに千年間の試練に耐えた者には、記憶を持ち越したまま前世の恋人を再び探す権利が与えられるといいます。

趙炎と上官宵の運命はどうなるのでしょうか。

 

 

私事都合により、『屍者の13月』に関する定期的な感想の更新は今回で最後にします。今後も不定期での更新は行う予定です。