中文版『群青のマグメル』(拾又之国)をタオバオから個人輸入する
まずは『群青のマグメル』読者以外にも情報を必要としている方の多そうな、中国からの個人輸入の方法について書いてみます。
今回個人輸入したものは
- 『拾又之国』1~2
- 『5秒童話』
- 『長安督武司』1~8
以上の3作品計11冊の第年秒先生の描いた漫画の単行本です。
『5秒童話』は日本でも翻訳されていますが、『長安督武司』は以前のペンネームである胡偉の時代に描かれた漫画で日本では未翻訳です。
今回は商品の注文・支払いは自分で行い、中国から日本への発送は専門の業者に委託する転送代行という方法を採りました。
かかった金額は以下の通りです。
『拾又之国』1~2 | 669円 | (うち中国内送料141円) |
『5秒童話』 | 264円 | |
『長安督武司』1~8 | 1736円 | |
転送代行手数料(国際送料) | 2797円 | |
合計 | 5466円 |
本は関税の対象外です。
また課税対象品でも個人輸入で商品の合計金額が16666円以下ならほとんどの場合は免税となります。
国際送料が合計金額の半分を占めてしましたが、安いものを個人輸入した場合に送料のほうが高くなることは珍しくないので仕方がありません。
むしろ『長安督武司』がフルカラーコミックであることを考えると送料込みでもお得な買い物だったと満足しています。
『長安督武司』1・2と『5秒童話』にポスターがおまけとして付いて来たのも嬉しいポイントでした。
なお最も基本的なことですが、中国の人民元の記号は日本の円記号と同じ『¥』を使用しているため、中国語のサイトで「¥15」と表示されている場合は「15円」でなく「15元(250円前後)」を意味します。
転送代行に依頼した理由
はじめは『拾又之国』だけを個人輸入するつもりでした。
『拾又之国』の掲載誌である漫画行の公式ショップ「欢小铺FUNSHOP」がタオバオ(淘宝)の中にありましたのでそのショップで注文することにしました。
タオバオの登録は初歩の中国語ができれば躓くようなところもないと思います。
もし登録が難しい程度の中国語しかできないならタオバオで直接注文するのはやめておくべきでしょう。
というのもタオバオは「中国の楽天」の様に紹介されることもありますが実体としては「中国のYahooオークション」と言ったほうが近いものがあり、ほとんどの場合で売り手との中国語での連絡が必要になるからです。
特に企業直営ショップや天猫(T-mall)というタオバオからの保証のあるショップ以外では、個人から直接買うのとほぼ同じ扱いになるため、違法コピー品や粗悪品の売りつけといったトラブルだけでなく詐欺事件が発生することさえあります。
「欢小铺FUNSHOP」は日本への直接発送が可能ということになっており送料も40元(700円程度)と表示されていたのですが、実際に問い合わせてみると40元では送れないという返事が来ました。
日本へは順豊速運(SF Express)という会社の着払いでしか送れず、送料は2000円前後になる見込みだということでした。
単行本2冊のために2000円の送料を払うのは流石にもったいないので他のショップも調べたのですが、低価格で日本に直接発送してくれるショップは見つかりませんでした。
そこで幾分かは安く済みそうな転送代行業者を利用することにしました。
転送代行業者の選択
中国のショップから国際発送を行っていない商品または国際送料が高い商品を購入するためには、日本語のできる購入代行業者か転送代行業者を利用するのが一般的です。
転送代行ではまず代行業者に連絡して中国内の作業所の住所を教えてもらい、ショップには発送先として代行業者の住所を指定して、代行業者から改めて日本に発送してもらいます。
料金は業者によって相当に異なりますが、個人向けの小規模の代行を行っている業者では最初の0.5kgは90元前後で以後0.5kgごとに20元追加という基本料金になっているところが多いようです。
これに転送だけでなく購入からの代行を依頼するなら+500円、5点以上商品を注文するなら倍の料金といった業者ごとのオプション料金が加わります。
購入から代行してもらう方が料金が高くなる場合が多いですが、商品のウェブページさえ指定できれば後はほとんど任せることができるので、中国語の苦手な方や交渉に不安がある方にはおすすめです。
ちなみに代行業者の中には問い合わせへの応対やトラブルへの対処が極端にずさんなところも存在するらしく、事前にウェブで評判を調べておくことが必要です。
転送の基本料金はどの業者も最初の0.5kgが最も高いので、この期に『5秒童話』と『長安督武司』の単行本も購入することに決めました。
この条件で一番安くて比較的評判が良かったのがミザ代行という業者でした。
もし『拾又之国』しか購入しない場合はタオバオ便という業者が少数の商品での料金が安く、購入代行も基本料金内で行ってくれるようです。
商品購入時の小さなトラブル
タオバオ編
以前は中国に銀行口座がないと商品の決済ができなかったタオバオですが、現在は4%の手数料はかかるものの日本も含めた外国のクレジットカードを使用することができるようになりました。
正確に言えば外国のクレジットカードを使用できる商品も存在するようになりました。
タオバオは決済にアリペイ(支付宝)というシステムを使用していますが、ここでクレジットカードを選択できるのはショップによってタオバオの消費者保護システムに登録してある商品だけです。
登録してある商品はカートに入れると7天换货のマークである7のマークなどが表示されます。
「欢小铺FUNSHOP」では『拾又之国』はシステムに登録してあったのですが、『5秒童話』は商品の性質上の理由で(詳しくは不明)このショップでは登録できないということでした。
このことにすぐに気が付かず、なぜクレジットカードを使えないのか暫くの間悩んでしまいました。
ちなみにタオバオは注文を確定しても決済前なら簡単に退款(キャンセル)することができます。決済後でも売り手の同意があれば退款は可能です。
『5秒童話』は「汉风图书专营店」という天猫のショップで購入しました。
「汉风图书专营店」は中国内送料無料かつ割引している本も多いのですが、出版社からの仕入れに1ヶ月程度かかる場合があるらしく、在庫のある本以外の注文は避けたほうが良さそうです。
今回は在庫があったのですぐに発送してもらえました。
当当网編
『長安督武司』はタオバオでなく中国での最大オンライン書店である「当当网」で注文しました。
60元以上の注文で中国内送料無料になるのと日本からの購入報告が多かったのが決め手でしたが、最近システムの改修があったらしく以前の報告と変わっている部分がありました。
まず日本に直接発送する場合の送料がかなり高くなっていました。
以前の最低送料は50元だったようなのですが、現在は基本送料が90元で1冊当たりの送料も大幅に上がっています。
直接発送は最初から期待していなかったので改変があっても問題なかったのですが、困ったのは会員登録の方法が変わっていたことでした。
セキュリティ強化のために携帯電話番号の登録が必須になっていたのですが、それが中国以外の番号に対応していなかったのです。
それでも「微博(ウェイボー)」のアカウントが「当当网」のログインに利用できることに気が付いてどうにか「当当网」で注文ができました。
「微博」は中国版のtwitterに当たるもので、こちらでも会員登録には携帯電話番号が必須ですが、海外の番号にも対応しています。
なお「当当网」でクレジット決済をした場合反映に数時間かかる事が多いという報告があり、私が決済した時も直後は支払いを求める画面のままでした。
この画面で誤ってもう一度決済してしまうと料金が2倍支払われ、クレジットカード会社などに連絡して返金してもらわなければならないそうです。
私の場合は最初の決済の後何もせずに次の日に確認してみたらきちんと支払い済みになっていました。
ショップ発送から自宅への到着まで
ここからは特にトラブルもなく進みました。
注文内容を決めた時点でミザ代行に連絡して住所を教えてもらい、荷物のショップ発送後に物流公司(配送業者)と运单号码(追跡番号)を連絡するよう支持を受けました。
ショップからの発送連絡メールなどは無いので日に何度かウェブ上で確認する必要があります。
代行業者に全ての荷物が到着したら計量して正式な送料を出してもらいます。
今回の場合は11冊で2.5kg、158元(2797円)となりました。
料金を振り込んだらあとは基本的に待つだけです。
到着した商品は『長安督武司』全巻におそらく「当当网」での保管時についたと思われる大きな凹みなどがありましたが、中国の物流を鑑みるに許容範囲でしょう。
今回の所要日数
- 2016/05/09 ミザ代行に注文する商品を連絡
- 2016/05/11 ミザ代行から仮注文の受付と作業所住所の連絡
- 2016/05/11 3つのショップで注文
- 2016/05/12 2つのショップが発送
- 2016/05/13 3ショップ目が発送しミザ代行に物流公司と运单号码を連絡
- 2016/05/15 ミザ代行から全ての荷物の到着と送料決定の連絡
- 2016/05/15 指定された口座に送料を振り込む
- 2016/05/16 ミザ代行から入金の確認と発送の連絡
- 2016/05/20 荷物が日本の自宅へ到着