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群青のマグメル~情報収集と感想

ウェブコミック配信サイト『少年ジャンプ+』で連載中の『群青のマグメル』を非公式に応援するブログです。

群青のマグメルを応援する

この記事は先頭に固定表示しています。

ウェブコミック配信サイトの少年ジャンプ+で中国人漫画家第年秒先生が連載中の『群青のマグメル(原題:拾又之国)』を非公式に応援するブログです。
隔週連載の感想は毎回できるだけ更新の翌日までに投稿するのを目標とし、その他何か情報が書くべきことがあった場合は不定記に投稿します。
『5秒童話』や『長安督武司』など第年秒先生作の他の漫画の感想もできれば書いていきたいです。
基本的に情報解禁日時は日本に合わせますが、ウェブ上でわかる範囲で中国での情報をお届けすることもあります。

画像等の引用について

当ブログはなるべく正当な画像等の引用の範囲となるよう心がけておりますが
権利者様側からの削除の依頼や警告には速やかに対処いたします。

群青のマグメル第35話感想 ~金の瞳のヨウの再始動

第35話 7か月後 22P

扉絵

読者にとっては久々の連載再開です。作中でもタイトルが7ヶ月後となっていることで時間経過があった示唆されていて、扉絵で登場人物たちの現状が軽く紹介されることで本編がどういったものになっているかへの期待が高まります。特に主人公であるヨウがシルエットしか出されていないことで内容への興味を強く惹かれます。一方でしばらくは出番がないのかもしれないクーとエミリアはここで比較的詳細に現状が説明されています。クーは故郷に帰ってもモバイル機器のような構造物を操作していて、人類の文明・文化びいきをやめるつもりはないことが伺えてうれしいです。クーと仲が良さそうにしているボブカットの女性と体格のいい青年は、第34話の世界でもクーと同行していた2人ですね。この3人の関係も含めて、聖国真類の詳しい事情について触れる展開がこの先にありそうです。
田伝親父は主要キャラクターではないのですが、特に中文版では表紙や扉絵で出番が多めです。作中では貴重な完全一般人ということで作者のお気に入りなのでしょう。

神明阿一族の動き

冒頭4P分を贅沢に使っての大気圏外からのマグメルへの突入シークエンスは派手さはないながらもSFマインドに溢れ、探検漫画らしい未知への挑戦といった気分を高めてくれます。突入したのがマグメル深部は初挑戦である元ダーナの繭探検隊の4人だというのがより一層冒険感を高めています。マグメルが第二どころか第一の故郷と言っていいヨウでは、良くも悪くもこの冒険感は出せないでしょう。深部の拒絶する力の強さを目の当たりにし、いつも笑顔を貼り付けている一徒さえもマグメルの恐ろしさを再確認します。この作品はサバイバル感の強い漫画であり、強いことや余裕があることそのものよりもそれが剥がされかける時に見せる姿に魅力を感じることが多く、一徒のこの不安と探究心の間で揺れる表情にもなかなか惹きつけられるものがあります。危険生物や拒絶する力などマグメルの危険性が改めて確認されますが、彼らが重芯華を回避するために出現させた構造物は台座の部分は「ペ」のような紋章がついていることからキミアイオンが、アームの少なくとも1本は「Y」のような紋章がついていることからボルゲーネフが担当しているとわかり、彼らが構造者として成長したことも描写されています。マイナーチェンジした衣装も以前より洗練されたものとなっています。
暗闇で話し合っているアミルとルシスにはいかにも黒幕然とした雰囲気があって良いです。やはり悪役が悪巧みをするのは必然性はなくとも暗い場所であるべきですよね。第一部終盤と比べて作画が良くなっているので、アミルがかなり色男になっていて大物らしい魅力も上がっています。

「いつも通り」のヨウ

11P目とかなり焦らして主人公のヨウが再登場します。第32話ではかなり落ち込んでいましたが、7ヶ月後では「いつも通り」の姿を見せてくれ、読者を安心させてくれます。確定的なヒントは数多く出されていたとはいえ、第33・34話が少なくとも第32話の半年後ではないこともはっきりします。
そして静的な演出の続いた前半部と対照的にダイナミックな構図の連続する動的な遭難・救助パートへ移行します。
いきなり最悪に最初からクライマックスなムダジたちの様子はかわいそうながらもコミカルで、読者には危険生物の迫力さえもアトラクションのように楽しめてしまいます。続いて危険生物が撃破されてヨウに似たシルエットが見えることで読者は安心しきってしまうのですが、見開きをまたぐとムダジの仲間の体が無残にちぎれ飛んでいます。頭を撃って自決しようとしていたムダジも頭が飛んだどころではない死に方をした仲間を見て何もできなくなってしまいます。この落差により絶望を生む流れがお手本のように素晴らしくよくできていて痺れます。ヨウと誤認した人影が人間を狙うエリンたちだとわかるという仕掛けにも映像的な演出が冴え渡っています。エリンたちが危険生物を撃破したのもムダジたちを確保するために過ぎません。
救助のためマグメルに来たヨウが飛ばされた岩をさいの目切りにして避けるシーンでは、岩の1つ1つで遠近感が強調され迫力がある画面となっているだけでなく、直線による構成にグラフィカルな美しささえ感じられます。ヨウのクールで技巧的な印象が凝縮された場面です。岩を飛ばしたスケルガーゴンは第一部の第1話にも登場した危険生物で、今回が第二部の第1話であるという繋がりによる再登場でしょうか。
ムダジ救助の依頼主に続いてトトも原皇に操られた状態で登場し、いよいよ原皇さえもヨウを直接狙って動き出してきます。原皇の思惑の詳細が明らかになるのはまだ先でしょうが、トトとヨウ・拾因の昔の接触はこの一幕で早速明らかにされそうですね。しかし、ここでヨウが時間を取らされるといよいよムダジの安否が絶望的なものになってしまいます。ムダジたちを襲撃したエリンは原皇の命令を受けたフォウル国の一員だと思われるので、人質にでもとってもらえていることを祈るしかありません。

群青のマグメル30話感想下書き

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この回は全体的に意訳が上手くいっていない。
この後から34話までの訳も出来が良くない。
28話か29話で4巻分となることもあって、このあたりで翻訳者が変わったのでないか?

本当は全セリフを中文版で確認してほしいくらいなのだが、特に気になったもののみ抜粋。

 

(日本語)その日 偶然なのか必然なのか その二人は 出会った
(中文) 在因还未是因之时,在命运的偶然和必然之下,那两个人,见面了。
(直訳) 因にとってはまだ因でない時 運命による偶然と必然の下 その二人は 出会った
文字通りに考えると拾因にとって自分の名が因でない、つまりヨウである時ということか?
漢民族では姓や名を敬称などもつけずに単独で三人称として用いることはあまりないが、まだ名の方がありえるはず。
ただしこの部分の読み込みについては、おそらく作者が意図的に煙に巻いていることもあって、正直自信がない。
「偶然と必然の下」というのはこの時だったことは偶然だが出会ったこと自体は必然、つまり拾因はヨウを探していたと解釈しうる。

 

(日本語)男は腰を下ろし拾因と名乗った「奇遇だね」「”因”と”因”お揃いだ」
(中文) 男人告诉他,自己名叫拾因。『很巧,与你只有一字之差。』
(直訳) 男は彼に自分の名前は拾因だと告げた「巧いな」「君とたったの一字違いだ」
拾因はその場で考えた偽名を自画自賛しているのか?

 

(日本語)しかし今は廃業していて男の子と会ったのはただの偶然だと
(中文) 那个时候也只是凑巧路过
(直訳) その時はあくまでも都合よく通りかかったのだと
「凑巧」は自分の希望することにぶつかるというニュアンス。
やはり拾因はヨウと出会うことを望んでいた?

 

(日本語)君は俺と似ている
(中文) 你拥有与我相同的天赋,这是圣洲赠与你我的礼物。
(直訳) 君は俺と同じ天賦の才を持っている これはマグメルが君と俺に授けた物さ
構造者の才能がマグメルに由来するものだという重要な設定の説明を省いてしまっている。
エリンが中文版では原著者となっているのもおそらくこの設定と関係があるのではないか?

 

(日本語)多分もう会わないよ
(中文) 大概不会了。
(直訳) 多分もう会えない


「会わない」と「会えない」だと含まれる感情がかなり異なる。
拾因もヨウと別れることに心残りがあったのかもしれない。

 

(日本語)今日は我に首を持ってきてくれたのか?後ろに立つ貴様らの主の!
(中文) 站在后面那位才是这里的主人吧?
(直訳) 後ろに立っているその男こそがこの場の主催者だな?
前回は主催者の席に明らかに若様ではない男が座っていることで読者に違和感を持たせ、今回への引きとしていた。そして読み返せばその男は21話で若様から指令を受けていた部下だとわかるようになっていた。
リー長官は主人面をして席に座り影武者となることで神明阿アミルを護衛している。
クーは黒獄小隊と顔見知りなのでひと目で芝居を見抜き、見知らぬ男が主催者だと見当をつける。
その上でクーは芝居に引っかかってリー長官に向かっていくふりをしてから、アミルへ軌道を変えるというフェイント攻撃をかます。
アミルへの攻撃を他の2人の隊員が最優先で打ち破るのを確かめ、本当の主催者を明白にしてみせる。
そして猿芝居は既に見破ったと言わんばかりに黒獄小隊を挑発する。
以上が13Pから17Pの流れだったのだが、日本語版の台詞ではそれを理解することが出来ない。おそらく翻訳者も理解していない。
中文版では26話も合わせてクーが切れやすいもののそれなりの判断力があることが示されているのだが、それを把握できずただの力押しキャラだと誤認させられてしまうと、アミルの実力を即座に把握しひとまず攻撃をやめたことが、怖気づいたように見えてしまう。

一応ここで触れておくと中国語で「少年」は中学生以上で、それ以下は儿童・孩童・男孩など。ヨウは「男孩」から「少年」になる時に拾因と別れたので、弟子入りしていたのは7歳前後から12歳前後にかけて。
ちなみに以上の事情により中国で「少年漫画」というと日本でいうヤング誌的なものがイメージされる。そういう意味ではやや背伸びして斜に構えた作風の『拾又之国』(群青のマグメル)は正しく少年漫画。凄惨なシーンが含まれることもあって中国では14歳以上推奨図書扱い。

群青のマグメル29話感想下書き

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扉絵の鳥山明ライクなメカはデザインも書き込みも凝っている。ペンタッチは冨樫義博の影響が強いので見過ごされがちだが、メカやキャラクターの服装などのデザインは鳥山明の影響が強い。
タイトル通り神明阿一族の内情に初めて切り込んでいく話で神明阿一族という名称もこの回に初めて出てくる。それまでもしかして若様が拾因では?と思わされていたが、そうではないことがアミルの特徴的な瞳によって明らかになる。
また、三大勢力のもう一角であるフォウル国のいかにも多部族連合国家らしい様子や、原皇ブレスが女性であるらしいこともわかり、彼らの激突に向かう動きに対する期待が高まる。
一方でヨウとクーの戦いは実にほのぼのとしたものである。クーの部屋にはテレビだけでなく大量のフィギュアや本、DVDと思われるグッズが持ち込まれいる。人間文化への傾倒だけでなく拾人館での生活への馴染みぶりも見て取れるのが面白い。大きなスカル柄の壁飾りを見るに、クラウドボルグ自体の造形や現在の衣装から受ける印象通り、クーは少しカッコつけ系というかバンドマン風のデザインが好みのようだ。「ガキみたいな」戦いに興じていた2人だが、神明阿一族からの接触により遊びは終わりを迎える。ここで餌にされるのが、読者にとっても完全にヒントを見失ってしまったばかりの拾因の情報だというのが心憎い。その後のそれとなくエミリアを人質に取っていることを示唆する流れにも底意地の悪さが感じられ、彼らが一筋縄ではいかない大人な相手であることが印象付けられる。

群青のマグメル28話感想下書き

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5話冒頭で危険生物の餌食になっていた海玉子さん。モデルは翻翻動漫で第年秒先生の担当編集をしている人で、同社の他の漫画にも出演しているのだそう。
いつもの真面目なマグメルや危険生物の解説が完全にギャグの前フリに使われている。まず恐ろしげな紹介をされたヴェノムラマが早々に無駄にキラキラした顔になっていることでジャブをかましてから、もっともらしい口調での大量のうんちについての蘊蓄でストレートを狙ってくる。
うんちがアラレちゃんリスペクトな日本人にも馴染み深い現実離れした物体なので、これだけド直球かつ執拗なシモネタなのに不快感生まれない。基本的にクールで斜に構えた作風だけに、心底くだらないギャグをかまされると作品そのものに妙な親近感が湧いてしまう。
ただこんなふざけた状況でもヨウは拾人者の職務に極めて真摯。真摯さがギャグになるほど真面目で、ヨウの人命救助への思いが自然に読者に印象付けられる。珍しく振り回される側に立っていることもあり、大人ぶっていないヨウの姿が垣間見える。
なんだかんだヨウと一緒にいてくれるクーも微笑ましい。初めての共同作業での以心伝心ぶりもさることながら、二人で作業することに集中してしまい本来の目的を忘れかけるという点にも無邪気な親友感が溢れている。完全にドラゴンボールリスペクトなポーズにはヨウとクーが少年漫画を共に愛好していることが伺える。これから先の展開は二人が大人たちの思惑に巻き込まれて行くこととなるが、この時確かに育んだはずの絆は、おそらく「あの二人」は育む機会を与えられなかった絆は、それを乗り越えていくよすがとなるのだろうか?

群青のマグメル27話感想下書き

設定の整理回。
現実構造者である3人の説明を通じて構造力のルールを明確化させることは能力バトルを盛り上げる上で必須。一般的な能力の程度から大きく外れない3人を基準とすることで、一徒とヨウが優れた能力者であることもわかりやすくなる。
マグメルをめぐる勢力についても整理され、人間のある「一族」とエリンの部族連合フォウル国、聖国真類が三つ巴となりつつあることが明らかになる。そしてこの状態下でヨウの師であることしかこの時点ではわからない謎の人物拾因の暗躍がクーの視点から浮かび上がる。クーからすれば拾因は宿敵の1人だが、ヨウにとってかけがえのない人物であることは普段通り振る舞おうとしても生じる違和感からきちんと気がついている。ヨウは拾因のことを信じているが、読者としてはクーの抱える不安感の方が共感しやすい。拾因=黒い瞳のヨウだとして、ゼロやクーに被害の出るような計画は立てていないだろうが、それ以外の人間に対してはどうだろうか?特にもう一人の自分であるヨウに対しては?拾因はおそらく「贖罪」のために自らの決断で自分自身の命を捨てている。
葬送鋼刃の原型の強化を終えたヨウをやや上から目線で挑発してみるクー。中文版ではクーは「稽古をつけてやろうか?」的なことを言っていて、同じ上から目線でも兄貴風の吹かせ方が若干違う。それに乗っかるヨウにとっても、拾因が親代わりの年の離れた兄貴分なら、クーは年の近い張り合いたい兄貴分といった雰囲気。最初は得体のしれなかったヨウが話が進むにつれ実は弟キャラであることがはっきりし、なんだか可愛く思えてくる。
ムダジのイラストによる読者サービスは、唐突なメタギャグがお色気サービス自体の唐突さもギャグにしていて面白い。『5秒童話』の丁三言、何了了、そして孫又名までも登場しているのが第年秒ファンとしては嬉しいポイント。18Pのトップレスシーンは中文版では規制のためか乳首あるであろう高さのあたりが大きく白抜きされていて何だか逆にエロい。
ゼロは七聖教の出てくるムダジの漫画を読んだことがあるので名乗ったときにピンときているコマがインサートされている。

群青のマグメル26話感想下書き

前回は手を貸さないと言いながら、すぐに戦う気になってくれて自分の方が手を出すなと言う立場になるクー。聖国真類は人類の一部と敵対的ではあるが、人類の敵の敵でもあるのでうまく交渉できれば今回のクーとヨウのように共闘の余地がありそうだ。
クーがオーグゴーンの拳に正面から龍息穿甲弾をぶつけずにまず頭部を狙ったのは、22話で龍息穿甲弾との正面対決を避けてクラウドボルグを撃破したヨウの遍く左手による戦法を意識してのことか。不完全燃焼からの再戦の申し出を断られたこともあってクーはここで自分が同じ戦法を成功させることで気を晴らしたかったのかもしれない。あの時は明らかにクー優勢ではあったし、中文版ではヨウが茶化しつつも自分の負けだから再戦の必要はないと言っているのだが、それでもクーには釈然としない部分が残っていたようだ。クーのヨウへのちょっとした対抗心には要領のいい弟に対する年の近い真面目な兄めいたものが感じられて微笑ましい。
クーの戦法はオーグゴーンと共にいる人間の行動を考慮していなかったため失敗してヨウの手助けを受けてしまうことになるのだが、拳を真っ向から受けてもほとんどダメージを受けていないあたりが聖国真類としての面目躍如。数トンどころではない攻撃にも応えていないところみるに、正面対決なら万全な状態でも遍く左手では撃破は難しそうだ。オーグゴーンへの大量のミサイル類での攻撃も凄まじい火力である。この時中文版ではオーグゴーンの皮膚組織の強固さについて言及していて、ただの力押しでなく至近距離で皮膚を破壊したあと距離をとって傷口を集中攻撃するという手順を取っていることかわかる。短く派手なバトルではあるがクーが色々と頭を働かせながら戦っていることも十分に描写されている。
ヨウの側もいつもながらの判断力を見せてくれている。「急所は外した」は中文版を見るに「急所は外せた」ではなく「急所を外してしまった」の意味。必要ならば人間相手でも躊躇いもなく殺害に踏み切る割り切りの良さはこのシビアな世界観の中では頼りがいがある。クールさと垣間見える人間味のギャップがヨウの魅力。