群青のマグメル ~情報収集と感想

『群青のマグメル』と第年秒先生を非公式に応援

屍者の13月第1話感想 ~闇の中の光たち

本日3/31から『少年ジャンプ+』にて第年秒先生の「屍者の13月」の連載がスタートしました。

「屍者の13月」は、中国では「日月同错」というタイトルで2019/09/17からテンセント社の『腾讯动漫』にて連載中です。中国の漫画で一般的な左から右へ読み進めるフルカラー形式です。

 

第:『マグメル』をやりながら、新しい連載も企画していて、それは中国文化が入った作品になると思うので、機会があればぜひ読んでもらいたいです。

第年秒×佐々木亮介(a flood of circle)対談

 上記の「群青のマグメル」連載中の対談でも語っていたとおりに、「日月同错」の連載のスケジュールはかなり以前から決まっていました。しかし期間内に「群青のマグメル」の連載が完結できないためにさしあたって第二部完(日本語版では第一部完)とし、最終章である第三部の連載は後日に行うと決まったようです。中国では「拾又之国」の著作権を巡ってトラブルもありましたがこの連載中断には直接の影響はなく、現在は解決しているため、心配する必要は全くありません。

「群青のマグメル」と「屍者の13月」のスケジュール調整が最終的にどうなるのかは現在のところ未発表です。とりあえず私は現在連載されている「屍者の13月」を楽しむことにします。既に中国の『腾讯动漫』で掲載された分は読んでしまいましたが、ネタバレしないように気をつけて感想を書いていきます。

「屍者の13月」は退魔アクションものです。中国伝統のキョンシー(殭屍)と道士がモチーフになっているようです。作中で言及された「宿命」も、中国の修仙もの・道士ものでは欠かせない要素である天命思想を意識しているのでしょう。ただ独自設定も入っていて、かなり漫画的にデフォルメされているので、前提となる知識がなくとも楽しめるようになっています。

第1話は堅実にまとまっていてこの先に期待が持てる内容です。最低限の設定説明をしつつキャラクターのドラマにしっかりフォーカスがあたっています。師匠に対して散々な口を利きいていた悪ガキの高皓光が無事に師匠孝行を果たせたシーンでは胸が熱くなりました。むしろ自分の年からすると、立派になった高皓光の姿に感涙する師匠の方へ感情移入してしまうところもありました。

この作品の主な舞台は西暦525年の南北朝時代、西暦1906年の清代末期、西暦2019年の現代という3つの時代です。三真同月令という名で、亀の腹側の甲羅に似た形状をした術具に時代を繋ぐ力があるようです。4P目で西暦525年の姜明子が眺めていたトンネル状の巨石は、30P目で西暦1906年の高皓光たちが家に帰る途中にあったトンネル状の巨石と同じものです。高皓光たちが住んでいる施設こそが過去の姜明子が作ろうとしていた第三法府なのでしょう。この巨石は、法屍者を無事に倒した高皓光を前にした師匠が新たな夜明けを実感するという印象深い場面の舞台にもなっています。師匠の言うとおりに高皓光は彼らの“光”となれるのでしょうか?最後の2P分では西暦2019年の三真同月令の描写もありました。この3つの時代がどのように絡み合っていくかが楽しみです。

最初の2P分は、まだ意味はわかりませんがこの先の展開の布石になっているはずです。中国の伝統的な影絵芝居である皮影戯が元になっていて格好いい画作りです。この共闘するというより相争っているような3人と、3つの時代の3人の主人公たちはどのような関係があるのでしょうか。「竹ひごで操られる人形にすぎない」という言葉と、27~29Pの高皓光と師匠の会話で出た「宿命」という言葉、71Pで姜明子が独白した「宿命に終止符をうつ――!」という言葉にはどのような意味があるのでしょうか。これからの展開から目が離せません。